税務調査はどのような流れで進んでいくのか?会社に税理士が関与していることを前提に税務調査の流れをご紹介します。
税務署からの税務調査の依頼
税理士が関与していれば、顧問税理士に税務署から税務調査を行いたいという連絡があります。
税務調査は一般的な中小企業の場合、2~3日間行われます。
税務調査の依頼があった場合、調査自体を断ることはできませんが、日程の調整はできます。
税務署、顧問税理士、会社の3者の日程を調整して、税務調査を行う日にちを決めます。
顧問税理士との打ち合わせ
税務調査の前に顧問税理士と調査の打ち合わせを行います。
税理士が、調査でどのような資料が必要になるか、調査の目的、調査でどのような受け答えをすればいいかなどをお話しします。
税務調査で事前に用意しておく必要のある資料は次のようなものです。
- 総勘定元帳・仕訳日記帳
- 現金出納帳、通帳、会計伝票などの帳簿類
- 会社が発行する請求書・納品書・領収書等の控
- 支払いの請求書・領収書などの証憑類
- 契約書
- 稟議書
- 在庫表
- 源泉徴収簿・給与台帳・年末調整関係書類
- 取締役会・株主総会の議事録
- 生命保険・損害保険の証書
税務調査初日
午前9時半~10時頃に、調査官が来社します。
調査のはじめ、午前中は、社長に対して「会社の概況」を聞くことからはじまります。
雑談のような形で色々なことを聞いてきますが、調査官は社長の人柄、会社の状況などを観察・分析しています。基本的には、聞かれたことに応えるという姿勢で十分です。
わからない点、曖昧な点は即答する必要はありません。曖昧な返事をすると、後で調査官から矛盾点などを追求されてしまいます。調べてから返答しますというようにするのがいいでしょう。
会社の概況確認の聞き取りはお昼くらいに終わります。
調査官の昼食を用意したほうがいいですかと聞かれることがありますが、必要ありません。調査官は公務員ですので、用意しても食べることはありません。
午後からは、午前中の聞き取りに基づいて、総勘定元帳等の帳簿の調査が始まります。
まずは、売上の確認から始まることが多いです。
業務の流れ、得意先などの確認。現金商売の場合は特に厳しく調べられます。
調査は16時頃には終了します。
終了の前には、疑問点や用意しておいて欲しい資料の指示などの宿題が出ます。調査官が帰った後、税理士と打ち合わせをしながら、2日目で答えられるよう準備をする必要があります。
調査2日目、3日目
調査の2日目、まずは昨日出された宿題の回答から始まります。
そして初日に引き続き売上を見ていき、他にも仕入、在庫等の項目を調査していきます。
売上などの項目に、問題が見つからなければ、交際費、給与、外注費などの経費項目や固定資産関係、修繕費なども調査します。
また、年末調整関係書類の確認や源泉所得税の調査も行われます。
早ければ調査は2日目で終了します。
資料等のボリュームが大きく、3日目も調査する場合は2日目と同様の調査が行われることが多いです。
調査を終了する場合、15時頃に調査官から今回の調査についての話があります。
特に問題がなかった場合、これで調査終了となる場合もありますが、だいたいは帰って検討した後返事が来るということが多いです。
問題点や改善点などの指摘があった場合、後日資料をまとめて返答します。
調査終了後の対応
会社での調査が終わった後は、顧問税理士と税務署との交渉になる場合が多いです。
交渉の結果、問題がないということになれば、申告是認ということで調査終了となります。
しかし、問題があって修正を求められることがあります。
誤りを認めて修正する場合は、修正申告書を提出し、追加の税金や罰金を納めることになります。
税務署側の主張に納得がいかないということであれば、争うことになります。
以上が税務調査の一般的な流れですが、調査官の質や人物、会社の業種・業績などでケースバイケースという感じになります。
税務調査は税理士が関与し、日々の経理をしっかりしていれば、過度に恐れる必要はありません。弊所では、お客様の最善を考え、しっかりと対応いたしますので、安心してお任せください。