税務署では毎年、重点的に調査対象とする業種を決めています。
よって、その業種に該当する会社は、税務調査の対象となる可能性が高くなります。
では、具体的にどのような業種が重点調査業種になるのかを見ていきましょう。
どのような業種が重点調査業種になるかは、各国税局が発表している資料が参考になります。
例えば、金沢国税局で平成23年4月現在で発表されている資料を見ると、「平成21事務年度における法人税・源泉所得税等の調査事績について」という資料が公表されています。
この中の、「不正発見割合の状況」という項目では、業種別の不正発見の状況が表になっています。
資料によると、建設業が27.6%と最も高く、次いで料理・旅館・飲食業26.5%、運送業21.8%の順となっています。
このように不正が多い業種は調査の対象になりやすいと言えます。
また、この資料では、「稼働無申告法人」、「海外取引法人」、「公益法人等」、「現金取引法人」、「IT化法人」について、調査に重点的に取り組んでいることが書かれています。
「稼働無申告法人」とは、営業しているのに申告していない法人のことです。ちゃんと申告している法人と不公平が生じないよう、重点的に調査に取り組みのは当然のことと言えます。
現金商売をしている法人は、売上の除外などの脱税を行いやすいため、常に調査の重点対象となります。事前通告のない抜き打ち調査が入りやすいのもこの業種の特徴です。
「公益法人等」は、税制上の優遇措置が設けられており、法人の中に課税の対象となる事業とならない事業があって、その区分をしっかりしなければならないという特徴があります。
今後、公益法人制度改革によって、制度移行する法人が増えますし、調査の重点対象となる可能性の高い業種と言えるでしょう。
電子商取引を行っている法人やパソコンを利用した業務の高度化・ネットワーク化が顕著な法人も調査が重点的に行われています。
金沢国税局でもIT専門の調査官がいて、調査に当たっています。
以上のような業種に該当する会社は注意が必要ですね。